精神分析を学んだことない方、精神分析に興味のある方を対象にした研修会を行いました。文部省が選定している小学校の道徳教材を用いて、精神分析の視点から主人公(青年)と、街中で偶然出会った少年との対人関係を丁寧に見ていく内容です。
使用する道徳教材の授業観察をしていると、「自己犠牲をしてでも、少年に優しくするべき」「約束したことはしっかりと守って誠実であるべき」という結論に帰結していくことが多いですが、今回の研修会では精神分析の理論を用いながら、参加者同士の対話を通して主人公の内的世界を深めていきました。
心理領域、福祉領域、教育領域等のさまざまな立場の専門職が集まり、それぞれの視点から各テーマについて考え合いました。
同じ対人援助職者という仕事でも、専門性が違うとこれだけ視点が違うということを改めて感じましたが、対象の「こころ」を何とか理解しようとすることは共通しているということも感じる時間となりました。
以下、感想の一部を紹介します。
・精神分析の視点がどういうものなのか知ることができて良かった。
・これまでもっていた視点とは少し違う視点で対象とかかわることができそうな感じがした。
・違う職業で違う立場の人の一緒の研修を受けることで視野を広げることができた。
・沈黙になったとき、それを「埋めよう、埋めよう」としていたが、沈黙の大切さが分かった気がする。
・助言をすることの意味について考えさせられた。誠実に話を聞くということについて考えてみたいと思った。
・ディスカッションで、自分の気持ちや考えを他者にしっかりと聞いてもらえることが嬉しかった。
*感想の掲載は参加者の許可を得ています。
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