top of page
検索
執筆者の写真富山県こどもこころの相談室

居場所について臨床現場からの問い①

第1回  

 これまで、このブログではできるだけ個人的な発信はしないようにしてきた。理由は、講演会とは少し違い、文章による発信は文字だけの情報になってしまうため、私が本来伝えたいことが違った方向で解釈されてしまうこともあったからだ。


 そのような中、「居場所」についての社会的な方向性(特に居場所の乱立等)に疑問を感じ始めていた。どのような媒体(新聞のコラム、テレビ出演、動画の配信、雑誌のコラム、講演会等)であっても発信をするということは相手を傷つける可能性がある。そのため、これから述べていく文章を書くこと自体が、居場所を探している子どもや家族を傷つけるような発信になっていく可能性もある。これは、カウンセリングオフィスを個人開業している私にとって大きなリスクになる。地方の小さな個人開業のオフィスでは、ネガティブな評判は危機だからだ。それでも、今、発信しなければいけないと思ったし、やりたいことをやりたいために(言いたいことを言いたいために)、個人開業をした自分の意に反すると思った。


 このことから、これから数十回に渡って「居場所について臨床現場からの問い」と題した記事を掲載したい。臨床心理学の視点をベースにしながら、これまでの臨床経験も踏まえ、論文や書籍からの知識やデータ、心理士仲間や教員をしている元同僚たち、たくさんの学校の管理職との議論から考えたこと、臨床心理士として適応指導教室や、フリースクールでかかわってきたたくさんの子どもや、その家族との出会いの中で得ることができた経験を最大限活かしながら文章にしたいと思う。

 

 この記事を書きたくなった長めの経緯も含めながら少しずつ書き進めたい(私の考えを最後まで書き上げることが目標なので、基本的に週1回、数百字ずつ更新しようと考えている)。 


第2回に続く。


0件のコメント

Komentáře


bottom of page