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執筆者の写真富山県こどもこころの相談室

居場所について臨床現場からの問い⑪


 

#11

 「居る場所」が「居場所」になるために、臨床心理学の視点から、そして臨床心理士として日々直面する不登校事例から考えてみたい。

 ある事例を紹介する(事例は、守秘義務の観点から多数の事例を混ぜ合わせて架空のものとしている)。

 不登校になったCさんと、Cさんの保護者は学校以外の居場所を求めて、適応指導教室やフリースクールを探していた。そして、Dフリースクールの存在を知って見学に行った。Cさんと年齢の近い子どももいるし、登校日の過ごし方については自分の気持ちを優先させてくれるという理由からDフリースクールに通い始めた。しかし、翌週になるとCさんは「あそこに行くと疲れる。もう行きたくない」と親に告げた。親は落胆しながらも受け入れ、次の居場所探しを始めた。CさんはEフリースクールに興味をもった。そこには2週間ほど通ったが、結局「うるさい人がたくさんいて嫌だ」と告げ、体調不良も訴えた。



#12に続く。


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