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執筆者の写真富山県こどもこころの相談室

居場所について臨床現場からの問い⑤

第5回

 そもそも、「居場所」とは一体何なのだろうか。「居場所」という言葉は分野によってさまざまな用いられ方をするが、臨床心理のフィールドにおける居場所の概念も曖昧で「安心していられる場所」「自分らしくいられる場所」等という意味で使われることが多い。貴戸理恵(2022)*1は「不登校・フリースクール運動が行ったことの一つは、枠組みの不在ゆえに聴かれることのなかった不登校者の語りに耳を傾け、その語りをオルタナティブ・ストーリーへと水路づけることで社会的な理解を促進した」と指摘している。不登校児の居場所作りのスタートは1980年代に開設した「東京シューレ」であろう。


 引用文献*1貴戸理恵(2022)「生きづらさ」を聴く不登校・ひきこもりと当事者研究のエスノグラフィ 日本評論社


第6回に続く。




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