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居場所について臨床現場からの問い⑧

  • 執筆者の写真: 富山県こどもこころの相談室
    富山県こどもこころの相談室
  • 2024年9月8日
  • 読了時間: 1分

更新日:2024年9月9日

#8


 これらの文献からも、臨床心理学の観点からも、臨床心理士としての私の臨床経験においても「居場所」とは「居る場所」ではなく、「心の居場所」という視点が欠かせない。

これについて、よくある2つの事例を紹介する(事例は、守秘義務の観点から私が会ってきた多数の事例を混ぜ合わせた創作事例のものとしている)。


事例1

クラスに入ることが難しくなったAさんは「クラス以外の場所だったら行けるかも」と担任に相談をした。それを受けて学校は、会議室の使用を提案した。Aさんは2日ほど、会議室登校をしたが、3日目から登校しなくなった。理由は明らかだった。会議室という居場所は保障されたものの、Aさんに対応できる教員がいないため、会議室で一人過ごしていたからだ。会議室はAさんのただの「居る場所」に過ぎなかった(次回事例2に続く)。


 


 
 
 

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