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執筆者の写真富山県こどもこころの相談室

居場所について臨床現場からの問い⑨

#9

 事例2(事例1と同様に守秘義務の観点から、私が会ってきた多数の事例を混ぜ合わせた創作事例である) 私が、カウンセラーとして勤務していた学校の相談室にBさんが相談にやってくる。そこで自分について語り、翌週の予約を取る。そして翌週、また相談室の扉をノックする。Bさんにとって50分間の相談室での時間は自分の居場所になっているようだった。しかし、学校では想定外なことが起きる。ある日、Bさんとの相談予約が入っていた時間に、管理職から「緊急な会議で30分だけ相談室を使わせてほしい」と頼まれBさんとの相談に会議室を使った。会議室には、錆びたパイプイスがいくつか置いてあるが、相談室にあるような柔らかいソファーも観葉植物も円形のテーブルも無い。

 いつもとは明らかに違う居場所だが、この会議室でもいつもと同じように自分について私に語り始める。それは、どの部屋であっても私(担当のカウンセラー)と話す空間は、Bさんにとって居場所として機能していたのだろう。 


第10回に続く。


 


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