#10
AさんとBさんの事例を見ていくと、居場所とは「居る場所」ではなく、そこで誰と会い何をするかということが重要だということを読み手の方々と共有しておきたい。
現在の社会の流れに乗り、地域にたくさんの「居る場所」を作ったり、校内フリースクールを作ったりしてもそれは居場所として機能するのだろうか。もちろん、新しく出来た居場所によって自分の力を発揮する子どもたちや、仕事等への支障が少なくなる保護者もたくさんいるだろう。そのため、新しい居場所作りに公的な資金が投入されることも非常に重要な施策である。一方で、どのような専門性をもったスタッフがいるか、そこに勤務するスタッフ(多くの場合が非常勤であろうし、有償ボランティアを採用している市町村もある)はどのような専門的知識を学び、どのような専門的トレーニングを受けてきたのかについて述べられている報道や記事について私はほとんど見たことがない。勤務するスタッフを見つけることに苦労している都道府県や市町村があるのが現状だし、そこに勤務する専門家の人件費を見積もった予算付けをしているのだろうという疑問も浮かぶ(そもそも、現段階では「居場所」に専門家の存在は求めていないのかもしれない)。
#11に続く
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