top of page

​Q&A 
 相談者や研修会の受講者から、よく質問されることについてまとめています。一般の方向けに書いた77個のQ&Aです。当相談室やカウンセリングについて知るきっかけになればと思います。カウンセリングを受けようと考えている方は参考にしてみてください。

Q1 カウンセリングって何ですか。

 A 日ごろ思っていること、感じていること、悩んでいること、困っていること、苦しいことなどをひとまず話してみることは、カウンセリングの第一歩です。自分について考えたり、その時の気持ちを感じてみたりすることで、自分を客観的に振り返り、自分自身を知っていくことに繋がっていくからです。カウンセラーに話をすることで、気持ちがスッキリしたり、ほっとしたりすることもありますし、悩み事についてカウンセラーと共に客観的に見つめることよって新しい気づきが生まれることもあります。言葉で話すこと(表現すること)が苦手な方は言葉の代わりに絵をかいてもらう方法(絵画療法)や、砂が入った木箱にミニチュアの人や物を置いて一つの作品を作ってもらう方法(箱庭療法)もあります。また、子どもは自分の気持ちを言葉で話すことが大人に比べて未熟なため、遊びを通して自分を表現する方法(遊戯療法)もあります。カウンセラーはそこに表現された世界から、相談者の心の世界を理解します。

 私たちは、日々の生活での中でたくさんの悩みごとに出会います。その悩みごとに対処する方法が見つからなかったり、やっても上手くいかなかったりすることも多々あります。そのような悩みごとに対して、カウンセラーはいろいろな角度からあらゆる方法で相談者に合った対応を考えていきます。それによって、悩みごとが解決に向かっていくこともあるわけです。

Q2 カウンセリングにはどのような効果がありますか。

A   悩み事や、つらいことを、カウンセラーに表現(言葉としても、言葉以外でも【子どもの場合は遊戯療法や箱庭療法や絵画療法等】)することによって気持ちがスッキリすることもありますし、問題を客観的に話すことによって自分自身についての整理ができます。また、カウンセラーに気持ちや考えを受け止めてもらったり、理解してもらったり、問題を一緒に考えたりすることによって、問題が解決に動き出すこともありますし、問題だったことが以前ほど気にならならずに生活できるようになりこともあります。自己分析をしたり、本を読んだり、動画を観たりすることでは得られない変化を実感できるかもしれません。

Q3 カウンセリングと占いとはどのように違うのですか。

A カウンセリングと占いとは違うものです。私も10代の頃に一度占いに行ったことがあります。生年月日と名前を聞かれた後、「部屋の対角線に観葉植物を置きなさい」「ここ1年は運気が悪いので、あまり積極的な行動はしないほうが良いです」というアドバイスをもらいました。そのようなアドバイスを参考にして、問題を解決していくこともあるのでしょう。一方、カウンセリングは「臨床心理学」「心理臨床学」という学問的な背景があります。カウンセリングは「カウンセラー」と「相談者」の対話を通して、今、自分に起きていることを整理しながら、自分の理解を深めていきます。カウンセラーと一緒に解決策を探っていくというプロセスは占いとは大きく異なる視点だと思います。占いは、現実世界から目を背けるイメージですが、カウンセリングは現実世界と向き合うイメージです。どちらがよいということではなく、相談者がどのようなことに取り組みたいのかということで、判断することが大切なのだと私は思います。

Q4  今まで、親や何人もの友達に相談しても、問題が解決しません。そのようなことでもカウンセリングで解決しますか。

A   親や、友達に相談することと、カウンセラーに相談することは大きく違うと思います。親や、友達へ相談しても、多くの場合、「~したら?」「そんなことやめた方がいいよ」と言ったアドバイスが多かったのではないでしょうか。それに対して、カウンセラーはこころの専門家です。カウンセラーは、基本的に積極的なアドバイスや助言は控えることが多いように思います。相談者のこれまでの経験や、こころの世界を尊重し、解決に向けて一緒に考えていくプロセスを大切にします。

Q5  有名なメンタリストのように、自分のこころをカウンセラーに読まれそうで怖いです。

A 相談者のこころを理解するためには、相談者の話をよく聴いて、相談者のこころの世界をカウンセラーも味わい、あたかも相談者であるかのように体験しようとします。そういう意味では「こころを読む」というよりは専門的立場から「理解しようとする」という方が適切な表現化もしれません。「こころを読まれそうで怖い」ということを感じること自体が、相談者の今の悩みや課題と大きく繋がっているのかもしれません。「自分のこころを読まれそうで怖い」ということをカウンセラーに伝えてみることで、これまで分からなかった自分を知るきっかけになります。担当のカウンセラーにそのことを伝えてみてもよいのではないかと思います。

Q6  秘密は守ってもらえますか。

A カウンセラーには守秘義務があります。お聴きした話は、他者に話すことはありません。しかし、相談者の生命や、他者の生命に影響を及ぼすような事柄が起きそうなときは、極力、相談者に説明をして同意を得たうえで、ご家族や関係機関等と連絡を取る場合があります(これについては、初回の面接時に利用規約を書いていただくときにもご説明します)。それが、相談者ご自身を守ることに繋がるからです。

Q7 カウンセリングを受けたら癒されますか。

A ある専門家が「癒しは卑しい」ということを言っています。癒しを目的にしたサービスを提供している企業は繁盛していることが多いようです。癒しそのものを否定するつもりはなく、精神的健康の維持・向上に癒しはとても重要だと思います。一方、自分について考えたり、悩んだりすることは、自分の課題や問題とと向き合う機会を与えてくれます。そして、その機会は人間を成長させてくれる可能性があります。カウンセリングを受けたら、結果的に癒されたということはあるかもしれませんが、癒しを目的にカウンセリングを受けることは個人的には少し違和感があります。

Q8  話をするのが苦手で、うまく説明できるかわかりません。

A    説明が苦手とか得意ではないということは、カウンセリングではあまり考えすぎる必要はないのではないかと思います。カウンセラーはその話し方を含めたコミュニケーションの様子で相談者を理解しようとするからです。例えば、「どうしていつも自信が無さそうに話すのだろう」「どうして、いつも腕を組んで高圧的に話をするのだろう」というようなことです。このようなことは、相談者の悩んでいる課題と関係していることもあります。それを相談者とカウンセラーがお互いに知るためにも、相談者ご自身のペースで、話したいこと(頭に浮かんだこと)を話してもらえれば、それ自体がカウンセリングに繋がっていきます。

Q9  話を聴いてもらうだけでなくて、アドバイスをしてほしいです。

A     カウンセラーは、相談者の本来ある主体性を回復させたり、成長させたりすることを大切にします。そのため、ご自身で自分のこれまでの経験を振り返ったり、そのときの気持ちを言葉にしたり、自分について考えたりすることで、相談者自身が葛藤しながら自分なりの答えを探していくことが大切です。そのため、他者から与えられたアドバイスや助言のような「ある種の答え」は相談者にとっての答えにならないことが多いように思います。そこで考えてみてほしいことは、相談者ご自身が「どうして、いつも自分はアドバイスを欲してしまうのか」「どうしていつも自分で結論を出せないのか」ということです。そのようなことをカウンセラーと一緒に考えることで、他者からのアドバイスや助言を必要としてしまう自分の本質を知り、自分で答えを見つけ出すということのお手伝いをカウンセラーはできるのかもしれません。

Q10  心理カウンセラー、スピリチュアルカウンセラー、教育カウンセラー、子育てカウンセラー、心理相談員、公認心理師、臨床心理士など、いろいろなカウンセラーがいるのですが、どういう人を選べばよいですか。

A     カウンセリングの世界は色々な団体が乱立しています。その団体がそれぞれのルールで資格を認定しているので、色々な資格が存在します。資格取得までのプロセスはさまざまですが、資格取得までに少なくとも7年(大学4年、指定された大学院2年、大学院修了後に試験、試験合格後に資格取得)の期間を費やす臨床心理士の資格取得者はある程度の専門知識を持ち、専門的なトレーニングを受けていると言えるかもしれません。資格でカウンセラーの良し悪しを決められるものではありませんが、参考にしてみてください。

Q11 カウンセリングというと、「異常な人」「変わった人」「おかしい人」が行く場所だと思うので抵抗があります。

A     昔の精神科病院というと、閉鎖病棟のようなイメージがあるかもしれませんが、カウンセリングの敷居は少しずつ低くなっているように思います。カウンセリングは、「人間関係」「自分のことを深く知りたい」「失恋」「彼氏・彼女の事」「夫婦関係」「親子関係」「愚痴を言いたい」「仕事のこと」等、日常生活で誰もが当たり前に出会う、悩みや苦しみを共に感じ、それを乗り越えていこうとすることのお手伝いをします。決して、「異常な人」「おかしい人」「変わった人」が行く場所ではないと感じますし、仮に「変わった人」が行くところであるとして、自分が変わっているかどうかではなくて、自分がどのように変わっているのかを自分自身で知ることが悩みの解決に向けた一歩だと思います。

 人間は皆、どこか変わっています。もちろん、カウンセラーである私も含めて。

Q12 どうして、相談をするだけなのに料金が高額なのですか。

A  日本では相談や、愚痴を話すということにお金を払う(無形のものにお金を払う)という文化があまり強くありません。「高い」「安い」はそれぞれの価値観があると思いますが、あまりにも料金が安すぎたり、あまりにも高すぎたりする場合は、何か特別理由があるかもしれませんので、率直にカウンセラーに尋ねてみたらよいと思います。「日本で唯一受けれる〇〇療法ですぐに悩みを解消」「世界中から大絶賛〇〇セラピーあっという間に悩みが解決」「あなたの心の曇りを一瞬で取り去るカウンセリング」等の発信で、高額な料金を受け取っているカウンセラーもいます。その高額な理由に相談者が納得できるようでしたら、カウンセリングの依頼をされても良いかもしれません。選択する自由が相談者にはあると思うからです。資格が仕事をするわけではなく、そのカウンセラーの能力が大切なのですが、最低限、公的な資格を取得していることが、相談をすることの安心感にも繋がります。

Q13  相談者のためだったら、安価で相談を受けるべきだと思います。

A  私は関東で臨床心理士として仕事をしてきましたが、富山では、自分の家庭のことや、自分自身のことを他人に相談をするとか、お金を支払って相談をするという文化自体があまり無いように感じます。それでも、カウンセリングには料金が必要になります。相談者のために無料、または安価で相談を受けるべきという考え方もあると思いますし、そのようなご指摘を直接いただくこともあります。県や市町村、学校、大学などでやっているカウンセリングは基本的に無料です。それは税金や、学費の一部等からカウンセラーに対して報酬が支払われているからです。決して、カウンセラーが無料で相談を受けているのではありません。
 カウンセリングは、相談者の人生を左右するような責任が伴います。そして、その相談者のために一定の時間を提供します。また、カウンセラーにも生活があります。無報酬や安価でのカウンセリングを提供し続けていては、自分の生活が成り立ちません。そうすると、結果的に相談者のための良いカウンセリングができなくなってしまいます。
 相談者の視点からも高額であることがよいこともあります。安価ではないからこそ、相談者は、その面接時間を一生懸命に過ごします。必死に葛藤し、考えて、精いっぱいの表現をします。無料の公的相談機関で仕事をしていたこともありますが、無料の相談と、有料の相談とでは、相談者の様子が違うように感じています。支払った金額に見合った成果を出したいと思うからです。相談者の方にはこのあたりことをご理解いただて、ご自身が納得した相談機関を選んでいただければと思います。

Q14 無料の相談を受けられる場所を紹介していただけますか。

A 教育センターや、こころの健康センター、保健所等では無料の相談を受けることができます。他にも無料で受けられる電話相談、SNS相談、来所相談もありますので、お問い合わせをいただければと思います。

Q15  日々、ストレスでいっぱいです。どうやったらストレスの無い生活ができますか。

A 色々な考え方があると思いますが、私は、ストレスの無い生活は無理だと思います。

たまに、「ストレスは全くありません」という人に出会うことがありますが、私はそういう人の方が心配になります。なぜならば、ストレスを意識できないくらい、無意識に嫌な気持ちを抑え込んでいる可能性があるからです。大切なことは、日常の中で嵐のように降ってくるストレスとどのように付き合っていくかを考えることだと思います。適度なストレスは人間を成長させてくれます。ストレスはあなたの人生を伴走する大切なパートナーと考えるくらいがちょうど良いかもしれません。

Q16 匿名の相談はできますか。

A 匿名の相談はお受けしていません。どこの誰なのか分からない相談者のお話はどこまでが本当の話なのか、カウンセラーの中に疑念が生じてしまうので、相談者の身になってお話を聴くことができません。そのため、初回に、お名前、住所、電話番号、緊急連絡先はご記入いただくことにしています。また、相談者の方に緊急なことがあった場合に、どこに連絡をすればいいのか分からないと、とても困ります。そのあたりをご理解いただければと思います。

Q17 事前に準備しておくことはありますか。

A こちらとしては、準備しておいていただくことは特にありません。当日、ゆっくりとお話をお聴かせいただければと思います。

 もし、以前に発達検査や心理検査を受けたことがありましたら、その結果をお持ちいただければと思います。

Q18 自分ばかり話していて、どうして、カウンセラーはご自身の話をしないのですか。

A カウンセラーは自分のプライベートついて極力お話はしないと思います。なぜならば、相談者の方のことを理解しやすくするためにです。例えば、ある回で臨床心理士が自分の生い立ちについて話したとします。その次の回、相談者は予約をキャンセルしました。なぜでしょうか?答えは、分からないのです。もしかしたら、カウンセラーが自分の生い立ちを話したことが関係しているかもしれないですし、違うかもしれません。しかし、それはもう分からないのです。相談者を理解するための面接であるべきにもかかわらず、相談者の情報に、カウンセラーのプライベートという情報を混ぜてしまうことによって相談者の真の問題が分かりにくくなるのです。そのようなことを危惧するために、カウンセラーは自分のプライベートについて発信することに慎重です。自分の生い立ちや、経験などをカウンセリング場面で積極的に話すカウンセラーと出会ったときは注意が必要かもしれません。「自分が癒されるためにカウンセリングをしているカウンセラー」も実際にいるということです。

Q19 以前、通っていたカウンセリングに嫌な思い出があるので、再びカウンセリングを受けることに抵抗があります。

A 以前、通っていたカウンセリングにネガティブな気持ちがあるのであれば、再びカウンセリングを受けることに抵抗があることは当然だと思います。可能であれば、以前のカウンセリングではどのような事が嫌だったのか、その気持ちをどのようにカウンセラーに伝えたのか(あるいは伝えなかったのか)ということ聴かせていただければと思います。以前のカウンセリングの体験は相談者にとって嫌な事であったかもしれませんが、その体験は相談者自身を理解することに繋がっていく可能性があります(自分はどんなことが嫌なのか、どんなことが苦手なのか、どういう人が嫌いなのか、そのことはどのような過去の体験から来ているのか等)。そのことについてカウンセラーと一緒に考えることは大事なのではないかと思います。

Q20  そもそもカウンセラーという職業の人を信用していません

A 人を信用できないということは、とても生きにくい人生を歩んできたのではないかと思います。どういう人なら信用できるのか、どういう人が特に信用できないのかということを分析したり、理解したりすることが、あなたの役に立つのではないかと思います。カウンセラーも当然、完全な人間ではなく、みなさんと同じ人間なので、相談者を傷つけてしまうこともあります。しかし、日常の人間関係と違うのは、それについて、遠慮なくカウンセラーと話し合えることだと思います。どんなことに傷ついたのか、どんな風に傷ついたのかということをカウンセラーとの間で話し合ってみることも大切かもしれません。

Q21 箱庭療法に興味があります。受けることは可能ですか。

A 箱庭療法とは、心理療法の一種で、砂の入った箱の中に相談者が自由にフィギュアを置き、一つの作品を作っていく手法です。こころの中の世界が砂箱の中に表現されると考えられています、言葉で話すのが苦手な相談者や、言葉で自分について上手く説明できない子どもにとって、自己表現の手助けになります。当相談室には箱庭療法の道具が置いてあります。箱庭療法に興味のある方はぜひ、お問い合わせください。

Q22 自分の過去の経験が、今の苦しみに影響していることは完全に分かっています。しかし、本を読んでも、カウンセリングに通っても、お祓いに行っても全く改善しません。

A 自己理解の深さや浅さは人間によって違いがありますが、私たちは、自分自身のことを完全に分かるということはあり得ないと思います。どんなに優れたカウンセラーや著名人でも、自分のことを完全に分かるということは無理なのです。そう考えると、自分のことを色々な観点からまだまだ分析したり、理解したりする必要があるのだと思います。そのような営みは、読書や、お祓いでは解決しないことなのでしょう。カウンセラーにも色々なカウンセラーがいるので、長期に渡って専門的な訓練を受けたカウンセラーにカウンセリングを受けることをお勧めします。

Q23 自分の問題は自分で解決したいので、他人の力は借りたくありません。

A 自分の問題は自分で解決したいというお気持ちは、とても大切なことだと思います。一方で、困ったときに他者の力を借りることができることは、重要な能力の一つだと思います。なぜならば、人間は誰しも、何らかの形で誰かに力を借りながら生きているのが現実だからです。他人の力を借りずに生きてきた人など一人もいません。そう考えてみると、困ったときに、誰かに相談するという行為は恥ずかしいことでも、避けるべきことでもないと私は思います。と言っても、他人の力を借りたくないという気持ちも大事な気持ちだと思います。

 そこで、私からの提案は、自分の問題は自分で解決したいこと、他人の力は借りたくないと思うことをぜひ、カウンセラーにお話をしてみてください。これまでとは違う、考えや気持ちが浮かんでくるかもしれません。

Q24  どうして自分ばかりがつらく、苦しい人生を歩まなければいけないのかと思ってしまいます。

A ご自身だけ、つらく、苦しい人生を歩んでいる気がするのですね。そう感じてしまうことは、とてもしんどいのではないかと想像します。どのようなことがどのようにつらく感じるのか、お気持ちを整理していくことも大切なのではないかと思います。そして、つらく、苦しい気持ちをカウンセラーにお話していただければと思います。その気持ちが変化したり、微かな希望が見え始めたりする可能性があるからです。

Q25 カウンセリングに行っても、家族や学校の現状が変わるわけではないので、何のために行くのか分かりません。

A 確かに、カウンセリングに来ても、家族や学校の現状が変わるかは分かりません。なぜならば、相手の気持ちや考えを変えることほど難しいことはないからです。しかし、家族や学校のことについて自分自身の捉え方を変えることはできます。それによって、相手が変わらなくても、自分が変わっていったり、自分が変わることによって、相手が変わっていったりすることが多々あります。他者を変えようと思うより、自分が変わっていく(自分を理解していく)ことがカウンセリングでお手伝いできることだと私は思います。

Q26 医療機関で他のカウンセラーにカウンセリングを受けています。カウンセリングを併用してもいいですか。

A 原則的に、心理相談を併用することはお勧めしません。カウンセラーによって、相談者の理解の仕方や支援方法に違いがあることがあります。それによって、相談者が色々な話を聞いてしまうと、相談者自身が混乱することがよくあります(AカウンセラーとBカウンセラーに言うことが違う等)。どちらが正しくてどちらが間違っているということではなく、カウンセリングには、さまざまなやり方があり、支援方法が異なる場合があります。それによって、相談者が混乱してしまうことは望ましくないと思います。色々なところに行って、ご自身にある程度合うと思うカウンセラーを見つけることができたなら、最終的にはカウンセリングを受ける機関は1か所にした方がよいと思います。まずは、カウンセリングを併用しようと思っていることも、担当のカウンセラーにお話してみるのも良いかもしれません。

Q27 些細な悩みでも大丈夫ですか。

A 他者から見れば些細な悩みでも、相談者ご自身からしたら大きな悩みです。どのようなことでも、お話しいただければ、どのようにしていったらよいのか、カウンセラーは一緒に考えます。

Q28 どれくらい悩んだときに、カウンセリングに行くといいですか。

A  これは、その人のタイミングによると思います。日常生活に影響が出たり、悩み事が長期間に渡ったり、原因不明の(医療的な検査をしても異常が無い場合)症状がある場合などを目安にする場合もありますし、そのようになる前にカウンセリングを受けてみるという方法もあります。このページにたどり着いたのなら、今がそのタイミングかもしれません。

Q29 自分のことではあまり悩みませんが、人間関係で困っています。

A 人間関係で困っているということが、まさに自分の悩みで困っているということだと私は思うのです。そのようなとき、カウンセラーに相談することは有効なことがあります。ぜひ、どのような人間関係に困っているのかということについて、お話をしていただければと思います。 そこには、新しい世界が見えくるはずです。

Q30 カウンセリングに長く通っていると、薬物依存のようにカウンセリング依存のようなことになりませんか。

A 長く通っても、短く通っても、カウンセラーのやり方次第で、ある種の依存のような関係は起こりうると思います。それは悪徳商法や、宗教などの人間関係にはまってしまう人がいることからも明らかです。

 また、〇〇セラピー、〇〇療法と謳っているカウンセラー(3か月の通信教育でカウンセラーの資格を取得した、月1回カウンセリングの講演を聞いて資格を取得した、1回だけ「アメリカのカウンセラー」の指導を受けて資格を取得した、「心のブロック」の外し方を教わった、自分は離婚経験があるから離婚カウンセラーになった等の話を富山県でも聞きます)のカウンセリングを受けて、高額な金銭を失った人がカウンセラーに不信感を持ちながら訪ることもあります。そのようなカウンセラーを否定するつもりはありませんが(それで良くなっていく相談者もいないことはないと思うので)、ある程度のレベルのカウンセリングを行うことは難しいのではないでしょうか。

 カウンセリングは、相談者の主体性を回復させたり、成長させたりすることを大切にすることが多いので、カウンセラーが居ないと生きていけないような事態はカウンセリングの目的とは真逆です。そのような事態にならないように、カウンセリングが無くても自分自身の足で生きていけるように支援をしていきます。カウンセリング依存について心配な気持ちを担当のカウンセラーにお話ししてみてください。

Q31 自分の性格を変えたいのですが、カウンセリングで変えることはできますか。

A 自分自身を変えたいと思って相談に来られる方は多くいらっしゃいます。しかし、「三つ子の魂百まで」「雀百まで踊り忘れず」という、ことわざがあるようにまずは、「子どもの頃からの育ちの中で、その性格がどのように身についてきたのか」「ご自身はその性格をどのように捉えているのか」また、「日常生活でその性格がどのように困っているのか」そして、「どのように変えたいと思っているのか」等について、カウンセラーとゆっくり考えてみることが有益になると考えています。

 このことから、カウンセリングを受けることも自分を変えるための方法の一つになると思います。

Q32 生きていても今後何も良いことが無い気がして、絶望感しか感じません。カウンセリングにも何となく通っています。

A それだけの絶望感を感じるほど苦しい経験をされてきたのだと思います。1日24時間いつも絶望感を感じますか。おそらく、そうではないはずです。1日の中でも、絶望感が強まる時(例えば、一人でいるとき、誰かに叱られるとき、寝る前等)、また、絶望感が少し和らぐ時があるはずです(誰かと話をしているとき、美味しいものを食べているとき、好きなことをしているとき等)。また、どのような生い立ちの中で(出来事の中で)、絶望感を感じてくるのかを振り返ったり、考えたりすることも大切だと思います。その辺りのことについて、カウンセラーと一緒に考えることで、絶望感が和らいだり、絶望感を抱えながらも何とか生きていけるようになっていくことが多いと感じています。 

 カウンセリングにも「何となく通っている」ということですが、行かない、辞めるという選択肢もある中で、何となくでも通っているのは、もしかすると、僅かでも、カウンセリングに期待や効果があるとご自身が感じている部分もあるのではないでしょうか。

 真っ暗な暗闇だからこそ、星を見つけることができます。言い換えれば、絶望の中にいるからこそ、希望という光を見つけることができると私は思います。ぜひ、そのあたりのことをカウンセラーと一緒に考えてみてはどうでしょうか

Q33 以前、担当してもらっていたカウンセラーは、ホテルのラウンジや、カフェ、カラオケボックスなどでカウンセリングをしていました。相談室以外の場所で相談を受けることはできますか。

A 申し訳ありませんが、当相談室以外の場所でご相談を受けることはありません。ホテルのラウンジや、カフェ、カラオケボックス等でカウンセリングという営みは難しいと思います。なぜならば、周りに誰もいない、誰に聞かれる可能性もない、静かな守られた構造があることによって、安心して自分のこころの世界を探索することができるからです。ホテルのラウンジやカフェのような不特定多数の人が出入りする場所では安心してカウンセリングをすることはできませんし、周囲の部屋から歌声が聞こえるような部屋は難しいでしょう。最近、そのような場所でカウンセリングをするカウンセラーがいることを様々なところで耳にします。おそらく、そのような方たちは、自分のオフィスを持つことができない(家賃や光熱費等の維持費がかかるので)、副業的に、または趣味としてカウンセラーをしているのではないかと思います。色々な考え方や在り方があると思いますが、きちんと守られた空間の中で安心して、カウンセラーとこころの探索ができる環境であることが、カウンセリングの大前提だと私は思います。

 そして、そのようなことまで、きちんと配慮してカウンセリングが行えるのが専門家だと思います。

Q34 カウンセラーとの相性が良くないように感じます。

A 人間関係ですので、相性というものは必ずあります。相性が合うと思うカウンセラーを探すということが、方法の一つです。しかし、私は、カウンセリングにおいて相性が合わないからといって、カウンセラーを変え続けるのはあまりお勧めしません。なぜならば、その相性が合わないこと自体がご自身の課題や、苦手としていることと関係しているかもしれないからです。相性が良くないということを感じたときは、一方的にカウンセリングに通うのを辞めてしまうのではなくて、そのことをカウンセラーに伝えてみてください。

 ある程度の専門性を持ってるカウンセラーであれば、そのカウンセラーはそのことについて話題として取り上げて一緒に問題を深めてくれるはずです。逆に言うと、「相性が良くないと思う」ということをカウンセラーに伝えたときに、それを流したり、取り繕ったり、相談者に迎合したりするカウンセラーのカウンセリングは考える余地があるかもしれません。みなさんが、カウンセラーを選ぶ時の参考にしていただければと思います。

Q35 カウンセラー養成講座というものに申し込んで心理カウンセラーの資格を取得し、自分のつらかった経験を基にして心理カウンセラーとして活躍したいと思っています。実際にそのような講座を受けて、心理カウンセラーとして仕事ができるものなのでしょうか?

A その機関がどのような機関なのかわからないので、何とも言えません、カウンセラーを仕事にする人が多く、色々な民間の団体がカウンセリング講座や心理カウンセラー養成ということをしています。また、1日だけの講座や、2か月の通信教育、WEBでの受講等安易な方法で団体が認定した資格を認めています(最近、私が見たものは「今申し込むと、資格試験が免除で資格が取れます」ということでした)。そうすることで、その団体には、受講費、資格受験料、資格認定料、資格更新料という大きな収益をあげることができるからでしょう。私が知る限り、多くの場合が数十万~数百万という大きな金額です。カウンセラーという職業は、医師や弁護士と違って、特に資格が無くても名乗ることができます。「今日から自分はカウンセラーだ」と決めればカウンセラーになれます。

 自分のつらかった経験をもとにして心理カウンセラーになろうとすることはとても、素晴らしい動機の一つになります。しかし、その経験は時として、マイナスに働きます。なぜならば、同じような体験をしたような人のことが分かりすぎてしまうために、相手の世界に巻き込まれてしまいます。相手と自分は同じ気持ちではないのに、同じように感じていると錯覚してしまいます。つまり、自分の過去の重要な経験が無意識にわき起こって冷静、客観的にいられなくなってしまうのです。自分のつらい経験だけで心理カウンセラーになることは、現実問題として難しいと思います。

Q36 カウンセリングを何回か受けたことがあります。何故だか分かりませんが途中で辞めたくなって辞めてしまいます。

A 途中で辞めたくなることについて、担当のカウンセラーと話してみることが大切だと思います。関係が深まってくると、関係が壊れてしまう感じがして傷つくのが怖くなったり、自分が見捨てられるのではないかと無意識で感じて辞めたくなってしまうこともあります。「何故だか分からないけど、いつも繰り返しやってしまう」ことをカウンセラーと考えることは、自分の気持ちや考えを振り返ることや、新たな自分を知ることに繋がり、そこにこそ、ご自身の課題が隠れているのかもしれません。

Q37 自分がどういう性格で、どういう特徴があるのか分かりません。自分のことを深く知りたいときにカウンセリングは有効ですか。

A 自分のことを深く知りたいときに、カウンセリングは有効です。今のあなたのこころの大部分は無意識が占めていて、その無意識の多くが幼少期の頃の経験が影響していると考えられています。そのことについて、自己分析、自己啓発の本、通信教育等で理解することには限界があると思います。カウンセリングを受けることで分かることもあるかもしれません。

Q38 カウンセリングを途中で辞めることはできますか。

A もちろん可能です。

 ただ、それまでのカウンセリングの時間をできるだけ意味のある時間にしていただきたいため、やめたいと思っていることを、カウンセラーにお話をしたらよいと思います。相談者の気持ちを最優先にさせていただきますが、「どのようなことでやめたくなったのか」「いつ頃からそう思い始めたのか」「やめることについてどう思っているのか」等、相談者の今後に繋がるようなお話をさせていただければと思います。

Q39 他の心理カウンセラーは自分の趣味や、食事、遊び、休日の様子など、楽しそうな写真や、動画等をホームページに投稿しています。そのカウンセラーの人となりが分かって嬉しいのですが、先生は、ホームページ等には仕事上のことしか書いていません。ご自身のプライベートなことは書かないのですか。

A 基本的に、カウンセラーは、自分のプライベートなことについて安易に話さないことが多いと思います。

 カウンセラーが自分のプライベートなことについて話すことは、時として、カウンセリングに悪影響を及ぼすからです。カウンセリングは相談者のこころの世界について一緒に思い馳せる空間です。そこにはカウンセラーのプライベートな情報は必要のないことです。カウンセラーと相談者がお互いにプライベートなことについて楽しく話しているとすれば、「カウンセリングという場から逸脱した単なる逃避の場」と考えることもできるでしょう。

 「カウンセラーの日常が分かった方が安心」という気持ちになるということは、相手のことが分からないと必要以上に不安になるとか、自分が本当に理解されるのか心配になるとか、カウンセラーに恋愛に似た気持ちを持っていること等の表れかもしれません。「カウンセラーのプライベートを知りたい」という気持ちについて、しっかりと取り上げてくれるカウンセラーを探してみるのも良いかもしれません。カウンセラー自身の日常のプライベートなことについて、あまりに多くの情報を積極的にホームページ等で発信しているカウンセラーには気をつけなければいけないのかもしれません。カウンセラーを選ぶ時の参考にしてください。

Q40 カウンセリングに通ったら、いつも笑って生活できるような楽しい人生を送ることができますか。

A カウンセリングには色々な考え方があるので、カウンセリングの効果や、方向性について一概には言いにくいです。ただ、「いつも笑って生活をできるような楽しい人生」というのは現実的ではないのではないかと私は思います。なぜならば、人生を生きていくことは、つらいことや苦しいことと出会ったり、向き合ったりしなければいけないからです。当然、そういうときは、笑って楽しい生活を送ることは難しいことだと思います。個人的にはカウンセリングを受けて、明るく、楽しく、いつも笑って日常を送ることができることより、つらいことや苦しいことや不幸なことに耐えたり、それと向き合っていく力をつけることがカウンセリングでできることなのではないかと思います。それが、結果的に、前よりも少しずつ明るく、楽しく、笑って日常を送ることに繋がるのではないでしょうか。

Q41 他の民間機関がやっている、子どものメンタルトレーニングという講座を受け、子どもが「苦しくてもやる」「つらいことに立ち向かう」「自分自身で自信をつける方法」を教わりましたが、上手くいきません。どうしてでしょうか。

A その民間機関がどのような機関なのか、どのようなトレーニング内容なのかが詳しく分からないので、何とも言えないのが正直なところです。個人的な思いとしては、苦しくてもやる、つらいことに立ち向かう、自分自身で自信をつけるということはトレーニングをすることではなくて、大人と子ども、相互の情緒的なかかわりによって生まれてくるものだと考えています。つまり、大人の子どもへのかかわり方によって、つらいことや、苦しいことに向き合うための力が育まれ、日常の中での色々な課題を乗り越えていくことによって、自信がついていくのではないでしょうか。と言いながらも、私が考えていることが正解ではないですし、色々な考え方があります。ご質問のような疑問が生じてきたのでしたら、その講座の先生に直接、その疑問をお話してみてください。

Q42 家族や、友達などから、「下を向くな」とか、「ネガティブになるな」とか、「いちいち小さなことを気にするな」などと、言われてしまい、さらに落ち込んでしまいます。私たちは、常にポジティブに、前向きに、上を向いて人生を生きていかなければならないでしょうか。

A 今の日本の世の中にはポジティブ思考が評価され、ネガティブ思考は評価されにくいという考え方があると思います。しかし、ポジティブ思考を続けることは人間の成長を妨げる可能性があります。また、ネガティブ思考は健康に生きることを妨げる可能性があります。状況に応じて、ポジティブにも、ネガティブにも視野を広くもち臨機応変に考えることができるようになるということが大切なのではないでしょうか。

Q43 「自分の人生はどうあるべきか」という答えの無いようなことで悩んでいるのですが、カウンセリングに通って意味がありますか。

A 人間の悩みを突き詰めていくと、その本質は「自分の人生はどうあるべきか」というところに行きつくのだと私は思います。逆に言えば、「自分の人生はどうあるべきか」という答えの無いようなことは、今の問題や課題をどのように乗り越えていくかということと大きく関連しているのだと思います。

Q44  話しているうちに、もっと話をしたくなりました。どうして、時間を延長してくれないのですか。

A  面接の時間は毎回決まっています(50分)。時間を延長しない理由としては、次の方の予約が入っているからです。延長をしてしまうと、次の方の予約時間と被ってしまいます。また、カウンセラーがある回だけ時間を延長してくれて、ある回は延長をしてくれなかったとします。相談者はどのように感じるでしょうか。「何で前回は延長してくれたのに、今回は延長をしてくれないのだろうか。何かカウンセラーを不快にさせただろうか(怒らせただろうか)「結局私の時間よりも、もっと大事な時間があるんだろう」など、色々な空想が湧いてくることでしょう。そのように余計な空想を抱かせてしまうことは、支援が進展していくことに影響することがあります。決まった時間に、決まった場所で、決まったカウンセラーと会うこと自体がカウンセリングのプロセスにとって大事なのです。

Q45 話をしたいときに一回だけ(単発)でも利用して良いのでしょうか。

A もちろん、そのような利用をされても構いません。こころの問題は、様々な問題が複雑に絡み合っているため、一回の相談で問題がスッキリと解決することは、難しいこともあります。もし、相談をしているうちに、継続してその問題や、その課題に取り組みたいと思われましたら、その旨、お伝えください。

Q46 カウンセラーの先生のことを信頼してきたので、一緒に映画を観に(ご飯を食べに)行きたいです。

A カウンセラーは決められた相談室の場以外では会わないことになっています(逆に言うと、相談室の場以外で会ってくれるカウンセラーは注意が必要です)。なぜならば、決められた時間に、決められた場所で交流をすることで、ニュートラルな気持ちで相談者のこころの世界を考えることができるからです。一緒に映画を観に行ったり、ご飯を食べに行ったりすることは、疑似友達関係になってしまい、カウンセラーと相談者という関係では無くなってしまいます。この時点で、治療関係は崩壊していて、適切な支援ができません。もし、一緒に映画を観に行きたいとか、ご飯を食べに行きたいという気持ちが芽生えてきたときは、相談者のこころの中に何か変化が起こってきていたり、カウンセラーのかかわりに何か問題があるときです。ぜひ、その気持ちを、正直にカウンセラーにお話しをしてみてください。望ましいカウンセラーであれば、その気持ちに焦点を当てて共に振り返ってくれるはずです。そして、「どうしてそのような気持ちが芽生えてくるのか」について、相談者自身のこころの世界を理解することに繋げてくれる支援をしてくれるのではないかと思います。

Q47 小さい子どもでもカウンセリングを受けられるのですか。

A      子は自分のことについて考えたり、話したりしたりする力が未熟です。そのため、遊びを治療に用います。これを遊戯療法(プレイセラピー)と言います。歴史のある心理療法です。「ただ遊ぶだけ?」と思われる方もいますが、家で親と遊ぶのとは違います。遊戯療法は専門家による、こころの支援です。何が違うかというと、決められた時間に、特定の人と自由に遊ぶということです。「目は口ほどに物を言う」ということわざがありますが、「遊びは口ほどに物を言う」という考え方です。子どもの自由な遊びは子どものこころの世界を表現しています。カウンセラーは一緒に楽しく遊ぶ役割ではなく、子どもの遊びを観察し、子どものこころを理解することが仕事です。子どものこころの声を遊びから読み取ろうとしているのです。その、子どもの遊びという表現の意味をカウンセラーが理解し、子どもに理解したことを言葉として伝えていきます。これによって、カウンセリングが進んでいき、問題が解決したり、軽減したりしていくと考えられています。

Q48 子どもが話したことを、親に教えてもらえますか。

A  カウンセラーには守秘義務があるので、お子さんのことでも、安易にお話することはできません。それは、お子さんの存在を尊重しているからこそです。自分の担当のカウンセラーが自分が話したことを誰にでも話していたとしたら、その人との間で信頼関係など生まれないはずです。そして、自分のことはカウンセラーに話さなくなるでしょう。「具体的にどのようなことを話したのか」という話の内容ではなくて、カウンセラーが感じたお子さんの今の課題、今の現状、そして今後の支援の方向性はできるだけ丁寧にお話させていただきます。

 その都度、疑問に思ったことは聞いていただければと思います。

Q49    子どもの学校のスクールカウンセラーに相談することと、何が違うのですか。

A   富山県の公立の学校には、スクールカウンセラーという専門家がいます。さまざまな資格や経験をお持ちの方々がスクールカウンセラーとして勤務しています。

 スクールカウンセラーに相談する場合、相談料は無料です(民間の心理相談室は有料です)ので、そちらを活用しない手はありません(有料には有料の理由があります。手術をするときに、より高度な医療技術を提供するときには高額な金額がかかることと似ていると思います。医療は保険が適応されますが、カウンセリングは保険の適応外です。また、有料であることで「料金分をしっかり相談しよう」と相談者がより真剣に相談続けることもその一つです)。一度、スクールカウンセラーとお話してみることをお勧めします。ただ、相談者の中には「学校関係の人とは話したくない」「学校の人には絶対に知られたくない」「より専門的な機関で相談をしたい」「臨床心理士に相談をしたい」という方々もいらっしゃいます。私は相談者が、さまざまな相談場所を選べることが大切だと思っているので、当相談室はその選択肢の中の一つです。

Q50 子どもにカウンセリングを受けさせたいのですが、無理やり連れて行ってもいいですか。

A 無理やり連れてくることはお勧めしません。無理やりでなくても、「遊びに行こう」「おもちゃを買いに行こう」「美味しいものを食べに行こう」と説明をして、子どもを連れてこられる保護者の方もいらっしゃいます。親からしたら、「そうでもしないと子どもはカウンセリングには行かない」と思われるのでしょうから、そのようにしてしまうお気持ちは理解できます。一方、子どもの立場に立ってみたらどうでしょうか?騙されて知らない場所に連れてこられ、初対面のカウンセラーに自分の気持ちなど話をすることができるでしょうか?もし、私が子どもの立場だったら、大人に対する不信感でいっぱいになり、保護者も、そのカウンセラーのことも信用できなくなるかもしれません。その信用を回復するには、大きな時間と労力が必要になります。

   子どもにカウンセリングについてを説明をすることは本当に難しいことです。私は、「困っていること、悩んでいること、嫌な気持ちになることをお話に行って、今よりも、楽しく(つらいことが少なくなるように)生活できるようになろう(なったら良いんじゃないかとお母さんは思うんだけど、あなたはどうかな?)。」と保護者を通じて子どもに伝えてもらうことが多いです。どのような伝え方をするのかも子どもによって違うと思うので、まずは、保護者の方が一度、カウンセリングに行ってみてはいかがでしょうか。

Q51   小さい子供(赤ちゃん)を一緒に連れて行ってもいいですか。 

A   小さいお子さんを連れてこられても構いません。そのような方もいらっしゃいますが、やはり、子どもが泣いたり、動き回ったりするので、落ち着いて、安心して相談をするという雰囲気にはなりずらいことが多いように思います。相談者によってはご家族にお子さんを預けてくる方もいらっしゃいます。そのあたりも、相談内容や状況によって異なると思いますので、一度、お問い合わせください。

Q52 子どもがすぐに良くなる方法を教えてほしいです。

A 保護者の方からよくお受けする質問の一つです。そして私からすると、とても難しい質問です。

 まず、「良くなる」ということがどういうことなのかが難しいことです。例えば、不登校の子どもが学校に行けるようになることは良いことなのでしょうか?私はそうとは言い切れないと思っています。子どもが不登校という症状を示しているのは、子どもが自分のこころや身体を防衛するために起きていると考えられるからです。つまり、自分のこころや身体が壊れないために、不登校という形になっているのかもしれません。そのように考えると、学校に行くことが良いことなのか分からなくなってきます。身体の擦り傷はいつのまにか治っていきますが、こころの傷は放っておくと、より悪化していく可能性があります。少しずつ、子どもの今の気持ちに寄り添いながら、子どもの存在を受け止め理解していくことが、遠回りのようで、一番の近道であると私は考えます。

  また、「どのくらい経ったら、元通りの生活ができますか」と質問される方もいらっしゃいます。そのお気持ちは分かります。しかし、元通りの生活をしてしまったら、また、同じ問題が起きてしまいますね。「元の生活ができるようになること」が大切なのではなくて、新しいあなたの生活の方法を身に付けることが大切になってきます。そのお手伝いをカウンセラーができるのかもしれません。

Q53 子どものカウンセリングが終わった後、つい、子どもに「どうだった?」「何話したの?」「何して遊んだの?」等、根掘り葉掘り聞いて聞くと、とてもイヤそうにします。

A  カウンセリングが終わった後は、話をしたり、遊んだり、箱庭をしたりと自分のことについて、目いっぱい表現しています。どんなことをしたとか、どんな話をしたとかということを聞かれても、上手く説明することができません。また、自分のことを目いっぱい表現して、心地よくなったり、スッキリしているところで、急に現実世界に話を戻されると、嫌な体験として残ってしまう可能性があります。あまり、根掘り葉掘り聞かずに、「じゃあ、お家に帰ろうか」「今度の予約を入れようと思うけどいつにする?」程度でよいのではと考えてます。子どもの様子や、治療の方針、今後の展開など、親として気になることがたくさんあると思います。当相談室では、そのようなことについて、保護者のカウンセリングを別枠で設けることを推奨しています。それによって、保護者の子どもに対するかかわりが変化し、子どもの成長に繋がっていくからです。

Q54  学校の先生に代わりに苦情を言ってほしいのですが。

A まずは、どのような状況になっているのはお話を聴かせてもらいたいと思います。学校や先生に言いたいことがある場合は、子どもや、親がどのようなことに不満があり、どうして、直接、学校の先生に言えないのか。そして、どのように言えばよいのかをできるだけ一緒に考えたいと思います。私たちが、学校の先生に代弁することはほとんどありません。カウンセラーが代わりに言ってしまうと、相談者が成長する、問題を解決するチャンスを奪ってしまう可能性もあるからです。

  先生に言おうと思うと、どんな気持ちになるのか、どのようにしたら言える可能性が出てくるのか、このようなことをカウンセラーと考えることは、今後の子どもや、親の人生にとって重要です。いつまでも他者が代弁してくれることはないからです。逆に、すぐにあなたの考えや気持ちを代弁するカウンセラーには注意が必要だと思います。

Q55  家族のことで困っていますが、本人が相談に「行きたくない」と言います。

A そのようなご家族も多くいらっしゃいます。特に不登校や、引きこもり等の場合、最初はご本人が相談に来ないことが多いです。

   そのような場合は、ご家族に来ていただきます。そして、ご本人に起きていることを理解し、どのようにかかわることが効果的かということをカウンセラーと一緒に考えていきます。その中で、ご本人の困り感をご家族と一緒に探し、その困り感を頼りにご本人の気持ちを受け止めたり、理解したりしながら、「カウンセラーに会ってみてもいいかな・・・」という時期が来るのを待っていると、ご本人が動き始めていくことが多いように感じます。 カウンセリングにおける「待つ」ということは決して受動的な事ではなく、能動的な営みなのです。

Q56 子どもと親と同席で一緒に話をしたいですが可能ですか。

A 可能です。親が同席をして、「子どもの気持ちを知りたい」という場合もよくあります。しかし、それが、子どものこころをさらに閉ざしてしまう要因にもなります。「子どもの気持ちが知りたい」という気持ちは、親の焦りや不安の気持ちがとても強くなっているのだと思います。そのため、大人同士で決めてしまうのではなくて、子どもの気持ちを優先してあげることが大切だと考えています。どんな小さい子どもでも、子どもには親とは違う人格があります。その人格を尊重することがこころの支援に繋がっていきます。どういう状況なのかをお聴きして、どういう相談形態が効果的なのかを提案させていただきます。

Q57 子どもが学校に行きません。学校に行くように子どもにアドバイスをしてもらえますか。

A 学校に行けない(行かない)子どもがいる家族の多くが感じていることだと思います。

 今までも、ご家族や、学校の先生が、色々な視点から子どもに対してたくさんのアドバイスをしてきたのではないでしょうか?

それでも、「行かない(行けない)」ということは、こころの問題において、積極的にアドバイスという手法は効果的ではないことが多いように思います。

 その場合、アドバイスではなく、他のかかわり方をする必要があります。その方法として、子どもの気持ちを受け止めてあげたり、理解してあげたり、一緒に葛藤してあげることが子どものこころの成長を促すのではないかと考えています。

 学校に行けなかった(行かなかった)人たちと話をする場面がたくさんありますが、「アドバイスをしたり、無理やり前向きにさせようとするのではなく、自分の話を最後まで聴いたり、自分の気持ちを分かろうとして欲しかった」というように感じている子どもは多くいます。

 非常に大切な気持ちだと思います。実際にこのようなことをするためには、本を読んだり、講演を聞いたりすることでは不十分です。

 不登校に対する知識と、自分の子どもに対する知識、そしてその実践練習が必要だからです。不登校を支援する団体が乱立していて、不登校支援は混沌としているのが私の印象です。不登校支援において「居場所が多ければよい」という単純な問題ではないですし、居場所が多いことは余計に問題を複雑にする可能性があります。私が大切だと思うことは、その居場所が親子にとってどのような場なのか。どのように機能するか。そして、親子が安心して失敗や葛藤ができる場にするためにどのような実践をしようとしているのかということです。

 不登校に対する知識だけをもっていても、問題が本質的に解決することはありません。なぜならば、それは一般論であって、ぴったりと自分の子どもには当てはまることはないからです。

 子どもや家族に起きていることを、一緒に考えたいと思いますし、どのような居場所を作ればよいかということについてもお話をお聴きします。

Q58  子どもが自傷行為をしていてます。叱っても、怒っても止めようとしません。どうしたらよいですか。

A  子どもの不適応行動に対して、叱ったり、怒ったりしても効果的でない場合が多いと思います。

 そのようなときは、どのようなときに、自傷行為が激しくなり、どのようなときにそれがしないで済むのかということを、家族が客観的に分析し、理解することが大切だと思います。それによって、子どもへのかかわり方が変わってきます。子どもが自傷行為をするには、するなりの理由(多くは無意識的なので本人に聞いても分からないもが多い)があるはずです。また、子ども自身も「止めたくても止められない」と語ったりすることがあります。その理由を子どもなりに理解したり、家族が理解したりすることは有益だと思います。その理解について、カウンセラーと一緒に考えることができます。

Q59 子どもは人と話すのが苦手です。カウンセリングに連れて行っても話さないかもしれません

A 子どもだけではなく、大人でも人と話すことが苦手な人がたくさんいます。特に、上手く説明しようと思えば思うほど、焦ってしまい自分の本当に話したいことが話せなくなってしまうものです。そのような場合、遊戯療法(プレイセラピー)といった遊びを用いた心理療法や、箱庭療法といった心理療法が効果的な場合があります。

Q60  家族に「カウンセリングを受ける」と言ったら「甘えるな」と言われました。私は甘いのでしょうか。

A  世の中には色々な方がいて、カウンセリングについてネガティブな気持ちを持っている方がいるのも事実だと思います。私はカウンセリングを受けることは甘いことだとは思いません。なぜならば、カウンセリングは自分の内面を見つめる、つらく、苦しい作業を伴うからです。

 カウンセリングはこころの弱い人が受けるというイメージが日本にはまだあるように思います。カウンセリングに通っていることを友達や、家族にも言えない方もいることでしょう。しかし、カウンセリングは問題を解決するだけでなく、自分自身の内面をより深く知るという人生を生きていくうえで必要な営みをしているのだということも知っておいてください。

 つまり、世の中の全員にカウンセリングという手法は有効な可能性があるのです。

Q61 子どもが犯罪をしてしまい、その罰としてカウンセリングに通わせたいです。

A 罰としてカウンセリングに通うことは効果的でないと思います。なぜならば、カウンセリングは罰を受けることではないからです。自分の過ちを振り返ったり、自分自身について理解したりすることで、今後、どのように生きていったら、同じような犯罪をしないで済むのかというとについてカウンセラーと一緒に考え、共に試行錯誤する場になると、カウンセリングという営みが効果的に働くのではないでしょうか

Q62 不登校の子どもに対して、登校刺激を与えればよいですか?、何もせずに待っていればいいですか。

A 保護者や、学校の先生から聞かれることの多い質問の一つです。一言で言うと「わかりません」です。その子どもの今の状況や、これまでの経緯、不登校になったきっかけ、学校での人間関係、学習の状況、親子関係、養育環境等が複雑に絡み合って、不登校という状態になっているからです。まずは、上記のようなことについて、丁寧に話を聴かせてもらわずに安易な助言はできません。そのうえで、保護者や学校は、どのようになってほしいと思っているのか、どのようにしたいと思っているのか、それのメリットとデメリットは何かをカウンセラーと一緒に考えて、今、子どもに起きていることを理解し、今後のかかわりを探していきます。多くの場合、登校刺激を与えるか、何もしないで待つかの2択ではなく、どういう場合にどのような登校刺激を与え、どういう場合に積極的な登校刺激は避けて、他の方法を取るかという臨機応変な対応をすることになると思います。そして、知っておいていただきたいことは、「待つ」ということは「何もしない」ということではないということです。「待つ」ことは子どもが日々、どのような言動をしているかということを客観的に観察し、子どもの小さな変化をかかわりのチャンスに生かそうと能動的に「すること」なのです。登校刺激を与えるか、待つかという2択の思考に捉われている間は、状況は変化しにくいと思います。それは、子どもの不登校という状況に、大人が過度に不安になってしまい、大人自身が不安を軽くしたいために起こります。それは子どものための2択ではなく、大人のための2択です。広い視点で臨機応変なかかわりができるように、カウンセラーは共に考えます。

Q63 何を話したらよいのか分かりません。

A 何を話したらよいか分からないという正直な気持ちを、カウンセラーに伝えてみてください。その「何を話したらよいか分からない」ということ自体が、あなたのこれまでのことや、現在の状況について理解することに役立ちます。「全く何も浮かんでこない」「話したいことはあるけど、どのように言ったらいいのか分からない」「話したいことはあるけど、今、この場では話したくない」等、「何を話したらよいのか分からない」という気持ちの中にも色々な気持ちがあるのです。その辺りのことについて、カウンセラーとお話する機会を作ってはどうでしょうか。

Q64  他の機関のカウンセラーから、「考えずに、悩まずに楽しいことをして、そのことから気持ちを逸らすトレーニングをしなさい」と言われました。気持ちを逸らすことは、結局は一時凌ぎの対処方法であって、そのような考えは納得できません。

A いろいろな考え方がありますので、気持ちを逸らすことが納得できないという考え方もあって当然だと思います。そのやり方がよいとか悪いということではなく、「何がどう納得できないのか」「どのようなやり方を望んでいるのか」ということについてカウンセラーにお話してみることをお勧めします。

Q65 そもそも、自分の悩みについて相談するとき、どのような相談機関にいけば良いのか分からないです。

A 富山県内でも公的な相談機関、民間の相談機関がたくさんあります。それぞれの特徴を理解したうえで、相談機関にご相談をされたらよいと思います。

 そのようなことについてのご相談・ご紹介もしておりますので、お問い合わせやご予約をしていただければと思います。

Q66 カウンセラーは自分のプライベートで困ったり悩んだりしたとき、どうするのですか。

A これは、講演会などでよく聞かれる質問です。カウンセラーもみなさんと人間なので、当然、悩んだり、苦しんだりすることがあります。そんなときは、みなさんと同じように、家族や友達に話を聴いてもらったり、自分なりのストレス解消方法を見つけて取り組んだりします。そこは、みなさんと同じ人間として、色々な試行錯誤をしながら日常生活を送っています。

 また、カウンセラーは、今、自分のこころにどういうことが起きているのかについて、これまで学んできたこころの仕組みを参考に自分のことを理解しようとします。それを理解していく中で、困ったことや、悩んでいることを軽減させることもあるようです。

Q67 どうして、数ある仕事の中からカウンセラーを選んだのですか。

A これも、講演会でよく聞かれる質問です。自分自身が気が付いているだけでも、数えきれないくらいたくさんあります。しかし、自分自身が気が付いていない理由も、まだまだあると思います。人間は無意識がこころの大きな部分を占めているからです。

 講演会等でよく、このようなご質問をいただきますが、「自分自身が色々な経験をしていく中で、他者のこころや、自分自身のこころについて関心がありました」ということお答えをしています。

Q68 カウンセラーは自分の問題で悩んだり、苦しんだりすることはないのですか。

A カウンセラーも同じ人間です。カウンセラーも悩んだり、苦しんだりします。自分自身のことについて客観的に理解することは難しい営みであり、カウンセラーも自分の課題についてカウンセリングを受けることを推奨されています。

Q69 「富山県こどもこころの相談室」の特徴を教えてほしいです。

A 当相談室は子どもを専門とした民間の相談機関です。

主な業務は5つです。

①カウンセリング ②ペアレント・トレーニング ③知能検査 ④講演・執筆・メディアでの発信 ⑤心理職を対象にしたスーパーヴィジョンや、対人援助職者を対象にしたコンサルテーションの実施

富山県内で臨床心理士、公認心理師のダブルライセンスを取得していて、子どもを専門にしている心理相談室は非常に珍しいです。また、富山県内において臨床心理士が子どもを専門にした民間の心理相談室を開設したのは当相談室が初めてです。子どものこころの問題についてご相談に応じます。子ども自身の相談でも、保護者による子どもの相談でも可能です。近年は、成人の方のカウンセリング希望者が増えています。このことから、成人の方のカウンセリングもお引き受けしています。詳細はHPの「こころの相談」のページをご覧ください。

Q70 男性、女性のカウンセラーを選ぶことはできますか。

A 現在、男性の臨床心理士が一人、女性の臨床心理士が一人の二人体制で相談をお受けしています。申し訳ありませんが、カウンセラーの指名は受けておりません。

Q71 心理検査に興味があります。受けることができますか。

A 当相談室では、知能検査を受けることができます。WISC-Ⅴ(5歳~16歳11か月)とWAIS-Ⅳ(16歳~90歳11か月)の2つです。どちらともウエクスラー式知能検査の最新版です。詳細は「知能検査ページ」をご覧ください。

Q72 子育てに悩んでいます。子育ての方法について学びたいと思いますが、書籍やネットを見ても上手くいきません。子育てについて教えてもらうことはできますか。

A 当相談室では、個別のペアレント・トレーニングを受けることができます。ペアレント・トレーニングは子育ての悪循環(叱る子育て)を子育ての好循環(効果的にほめる子育て)に変化させるための親用のトレーニングプログラムです。詳細は「ペアレント・トレーニング」のページをご覧ください。

Q73 「富山県こどもこころの相談室」のカウンセラーがどのようなことを考えているのか、コラムなどを読んでみたいです。

A 令和4年は①エコファミリー新聞(富山版)の紙面に小学生用のコラム、②エコファミリー新聞(Web)版に保護者用のコラム、③北日本新聞「future」Web版で中高生向けのコラム、④「クレスコ(大月書店)」で教職員や一般の大人向けのコラム

の4誌において連載をしています。

Q74 講演会を聞いて、カウンセリングを受けてみたくなりました。どのような手続きが必要ですか。

A 講演会や研修会を受講された方で、カウンセリングを希望される方もいます。手続きは、他の方と変わりませんので「予約・問い合わせ」のページをご覧ください。

Q75 職場で講演を依頼したいのですが、どのような内容にしたらよいのか悩んでいます。 

A  どのような目的で、どのような内容の講演を実施したらよいかという最初の部分からご相談に応じます。「講演」のページをご覧ください。

Q76 富山県こどもこころの相談室の住所と連絡先が知りたいです。 

A 場所は富山市にあります。富山駅から徒歩10分の場所です。トラブル防止のため、住所についてはご予約時に個別にお伝えします。すべての予約や問い合わせはメールでお願いをしてます。「予約・問い合わせ」ページをご覧ください。

Q77 カウンセリングを受けたいとき、どのようなカウンセラーを選んだら良いですか。

A ここ数年、富山県でも色々なカウンセラーがカウンセリングを仕事にしています。資格の有無や経験の大小にかかわらず、目の前の相談者のことを適切に理解し、症状を改善させていくカウンセラーがいます。初めてボウリングをやった人でも、ストライクを取ることができます。しかし、プロボウラーになるとそのための練習を積んでいるので、ストライクを取る確率は格段に高くなりますし、様々な視点から、その状況に応じた高得点の取り方を熟知しています。相談者であれば、カウンセラーには、できるだけ広い視点を持ってもらい、相談者の状況に応じた効果の高い支援をすることができるカウンセラーを望むのではないでしょうか。私が考える7つのポイントを書きます。

①大学や大学院で、心理学、臨床心理学、カウンセリングを学んできたか。

 大学や、大学院で長期に渡って専門教育を受けることと、通信講座や単発のセミナーで勉強をすることは、知識も経験も比較にならないほど違います。

②カウンセリングの一回当たりの料金が安すぎたり、高すぎたりしないか。

 民間のカウンセリング機関の場合、地域差はありますが、7,000円程度~12,000円程度が平均のようです。

③心理関係の学会員になっているか。

 人間のこころは複雑で、時代の変化によって様々な問題が表れます。カウンセラーは自己研鑽が必要な仕事なので、資格取得がゴールではなく、資格取得後がスタートになります。独自の方法ではなくて、学会等の専門的団体に所属しての多種多様な継続した研修が必要になります。

④学会等で論文発表や、研究発表をしているか。

 臨床心理士の業務は、4つの柱から成り立っています。「面接」「査定」「地域援助」「調査・研究」です。

 自己研鑽のために学会に入会し、その学会で自分の理論や実践を言葉にして文章としてまとめ、研究として世の中に報告をすることで、自分の学びを深めていき、相談者の支援に役立てています。

⑤カウンセリング場面で、カウンセラー自身のこれまでの過去の不幸な体験について語り、同情を誘ったり、その経験を美化しすぎたりしていないか。

 カウンセラー自身のこれまでの不幸な人生経験を前面に出して、同情を誘い、顧客を獲得する手法があります。不幸な人生経験は人の気持ちを理解したり、共感したりすることに役立ちますが、それだけではカウンセリングはできません。すべての人にそれぞれの人格があるのです。同じような経験をしても、その経験をどのように感じ、どのように考えるかということは人によって違います。「私はこういう経験があって、こういう体験をしているから、こういう人の気持ちはよく分かる」というのは、違和感があります。不幸な人生経験と、やる気だけでカウンセリングをすることができたとしたら、すべての人がカウンセラーになれます。なぜならば、不幸な人生経験をしていない人は、世の中には一人もいないからです。人間は誰しも、固有の傷つきを抱えながら日常生活を送っているのでしょう。

⑥「絶対に治ります」「驚きの効果を実感していただけます」「必ず幸せになれます」「あなたを幸せに導きます」「完全オリジナルな手法です」などと誇大な宣伝をしていないか。

 SNSやホームページなどで、上記のような言葉をよく目にします。良く考えてみれば分かることなのですが、世の中に「絶対」とか「必ず」ということはありません。私たち人間は、悩み、つらさ、悲しさ等が大きすぎると、心理的視野狭窄になります。物事を客観的に多面的に捉えることができなくなり、狭い考えに固執してしまいます。このようなところに付け込むカウンセラーもいるようです。

⑦心理の資格を持っているか。

 カウンセラーの資格でよく聞く資格に「臨床心理士」という資格があります。もちろん、臨床心理士の資格はカウンセリングをするうえでは必須ではありません。しかし、世の中には数えきれないほどのカウンセラーの資格があります。最近、よく耳にすることがあります。カウンセラーが「カウンセラー養成コース」「心理学講座」等というシステムを作ります。そして、カウンセラーになりたい人を募集し、高額料金で講座を受け、試験を受ければ、その団体やカウンセラーが認定した「カウンセラー」として登録されます。その後、同じようなセミナーや講座を開講する権利を得て、新たなカウンセラーがどんどん増えていくというシステムです。しかし、ほとんどの場合、そのような「カウンセラー」のところに、相談者が行くことは少ないようで、カウンセラーとして生計を立てていくことは非常に難しいようです。カウンセラーになりたいと思う人は、他者を思う気持ちも強く、社会の役に立ちたいと思う人が多いです。そのため、「騙された」と思いながらも、「自分のためになったから・・・」「勉強になったから・・・」と自分に言い聞かせ、納得しようとしている方もいます。このようなことにならないためにも、そのカウンセラーがどのようなことを学んできたのか、どのような資格を持っているのか、その資格はどの程度の信頼性があるのかということについて、確認されることをお勧めします。


最後まで読んでいただいていて、ありがとうございました。

ここに書いたことは、あくまで私なりの基本的な考え方です。

何よりも大切なことは、「あなたがなぜ、目の前にいるカウンセラーにその質問をしたくなったのか」ということです。

そこには、「あなたの悩みの本質であろう、とても重要な何か」が隠されているのでしょう。

その「何か」について、あなたと一緒に探っていくことがカウンセラーの仕事です。


このページが、カウンセリングについて考えるきっかけになりますように。

bottom of page