富山県こどもこころの相談室
ペアレント・トレーニング
新型コロナ感染症予防の観点からグループ・ペアレント・トレーニングを休止していました。
再開に向けて準備をしてきましたが、しばらくの間、マンツーマンの「個人ペアレントトレーニング」に切り替えることにしました。これによって、日程を受講者の都合に合わせて取りやすくなります。また、マンツーマンのため、より丁寧に安心して受講することができます。
1.ペアレント・トレーニングとは
ペアレント・トレーニングの理論はマサチューセッツ大学のバークレー博士の研究が基になっています。もともとADHDなどの発達障害がある子どもの親を対象にしていましたが、現在では、どの子どもにおいても用いられる手法です。また、ティーチャーズ・トレーニングという形で、保育現場や学校現場でも応用されています。
理論的な背景は、行動療法理論に基づく行動修正ですが、子どもを変えようとするのではなくて、親のかかわりを変わることで子どもの力を引き出すことを目的にします。受講者には講義を聞くだけのスタイルではなく、ワーク、演習、ロールプレイ、宿題をしていただきます。具体的にやってみることで、よりよい子どもへのかかわり方が身につき、宿題を通して客観的に子どもへのかかわりを振り返ることができるからです。
・富山県内において、臨床心理士が系統的(当相談室の場合は、連続性のある全5回)なプログラムに沿ってペアレント・トレーニングを実施している機関は当相談室だけのようです。
・当相談室の臨床心理士が「富山県公式チャンネル(YouTube)」において5本の動画を公開しています。ペアレント・トレーニングの考え方のごく一部ではありますが、参考までにご覧ください。
もっと詳しく学び、自分のお子さんに合ったかかわりを身につけたい方はお問い合わせください。
2.こんな方におススメです。
・子どもに対して、叱ることが多い。
・叱っても叱っても子どもが言うことを聞かない。
・ついつい感情的に子どもを叱ってしまう。
・子どもを叱ることが、子どもが困った行動を助長していると感じている(反抗してくる)。
・子どもを叱ることをやめたい。
・子どもを叱ることに疲れてきた。
・子どもを叱ってしまう自分が嫌になる。
・ほめることで子どもを育てていきたい。
・ほめることが苦手。
・子どもをどのようにほめたらよいか分からない。
・どんなにほめても子どもの行動が変わらない。
・子どもを変えるためのコツを知りたい。
・子育てについて学んでみたい。
など
◎叱ることが多く、ほめることが少ないと「子育ての悪循環(親のイライラは増えるが自信が低下し、子どもの自己肯定感も低下する)」に陥いる可能性があります。それによって、子どもの困った行動はさらに増えていき、親はさらにイライラするため、虐待などの望ましくない子育てに繋がりやすくなることが指摘されています。このようなことを予防するために、ペアレント・トレーニングは子育てにおいて効果的な手法として厚生労働省も推奨しています。
3.ペアレント・トレーニング講座の内容(各回40分)
第1回「子どもの行動を3つに分類してみよう」
第2回「強化という仕組みを使って好ましい行動を増やそう」
第3回「子どもの好ましい行動を増やすための方法を考えよう」
第4回「子どもの好ましくない行動の減らし方を練習しよう」
第5回「子どものしてはいけない行動の減らし方を練習しよう」
*当相談室のペアレント・トレーニングプログラムの基礎となっている研究等
・深澤大地 阿部美穂子(2008)教育相談機関におけるグループ・ペアレント・トレーニングの効果(2)QRS簡易版尺度とKBPAC日本語改訂版を用いた検討 日本LD学会大会発表論文集
・阿部美穂子 深澤大地(2011)教育相談機関におけるグループペアレント・トレーニングの効果と参加者アンケートによるプログラムの妥当性の検討 富山大学人間発達科学部紀要5(2)
・深澤大地(2017)地域の公的機関が協働して実践するペアレント・トレーニングの効果-地域の体制づくりとプログラムの実践 東京福祉大学・大学院研究紀要8 (1)
4.対象者
以下の3つの項目に当てはまる方
・全5回に参加できること。
・3歳程度~8歳程度までのお子さんをもつ保護者の方(お父さんの参加、両親での参加も増えています)。
・毎回の宿題を家庭で実施することができる方(難しいものではありませんが、毎日の記録が必要になります)。
5.受講料金
25,000円(全5回分 税込)
*同じスケジュールでご友人やお知り合い等、複数人の受講を希望される場合は受講料の割引あり。詳細はお問い合わせください。